「フリーランスとクライアントとのトラブルの無料電話相談とは?」
「フリーランスは損害賠償保険に加入するべき?」
フリーランスの方の中に、このようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、フリーランスとクライアントとのトラブルの無料電話相談とは何か、フリーランスのよくあるトラブル事例や損害賠償保険についても詳しく解説していきます。
トラブルが自分の身に起きても焦らず対応できるように、事前に損害賠償などの知識は理解しておきましょう。
フリーランスの無料電話相談とは?
「フリーランス」として働く人とクライアントとの間で、報酬未払いや一方的な契約内容の変更などが多発しているため、弁護士が無料で行っている電話相談のことです。
日本労働組合総連合会は、4月をフリーランス月間として、フリーランスの待遇改善を目的とした取り組みを進めました。
その一環で4月3日〜4日にかけて、フリーランスを対象とした日本労働弁護団の弁護士による無料電話相談が実施されました。これには、報酬不払いなどの相談が数多くあったそうです。
クライアントと何らかのトラブルが起きたとしても、個人で活動しているフリーランスの方は、対処法が分からなかったり誰に相談すれば良いのか分からなかったりして泣き寝入りしてしまうケースも多くあります。
徐々にフリーランスという働き方が世の中に浸透してきていますが、法律やサポート体制が不十分なのが現状です。また、フリーランスは一般の会社員とは異なり、労働基準法が適用されないので、弱い立場に置かれやすいのです。
自分の身は自分で守らなければならないので、万が一トラブルが起きた場合に気軽に相談できる窓口があると安心ですよね。
フリーランス向けの弁護士無料相談は『フリーランス・トラブル110番』という厚生労働省と弁護士会が行っているサービスもあります。こちらは永続的に開設されているもので、平日11:30〜19:30であれば相談可能なので、今回の日本労働組合総連合会の相談を受けれなかった方はこちらで相談してみてはいかがでしょうか?
弁護士への相談から和解あっせんまで無料で受けられるため、トラブルに遭遇された際は一度連絡をしてみてください。
クライアントとのトラブルで多い事例
フリーランスとクライアントとの間で起こるトラブルは、残念ながら多くあるのです。仕事を開始してから、相性が合わなかったというパターンも当然あると思います。
良質なクライアントも多くいますので、難しいですが悪質なクライアントを見抜くことが重要となります。契約をする時点で、「怪しいな...嫌な予感がする」と感じたら、自分にとって良い条件の案件だったとしても引き受けないことが大切です。
とくに駆け出しフリーランスの場合は、取引をする上で何に気を付けたほうが良いのか事前に確認しておきましょう。
では、クライアントとのトラブルで多い事例を1つ1つ見ていきましょう。
報酬未払い
フリーランスとクライアントとのトラブルの中で、最も多い事例だと言えます。依頼内容の仕事を完了したのに報酬を貰えなければ、ボランティアと同じですよね。
フリーランスは一般の会社員とは異なり、固定で決まった額を貰えるわけではなく、成果物に応じて報酬を貰います。そのため、時間を費やして作成した成果物に対して報酬を貰えなければ収入に大きく影響してしまうのです。
初心者でも比較的簡単に案件が見つけやすいクラウドソーシングサービスの「ランサーズ」や「クラウドワークス」には、仕事を始める前にクライアントが先に報酬を仮払いするシステムがあります。
クラウドソーシングサービスを利用すれば、報酬未払いで嫌な思いをする心配は要りません。仮払いが行われたのをしっかりと確認してから仕事に着手しましょう。
契約にはない作業が追加される
契約後に業務内容の変更・追加されるケースも多くあります。ライターの場合、レギュレーションなどに記載されていなかった点の修正を何度も受けたり、業務範囲外の仕事を追加されたり、という経験談をよく聞きます。
そのため、事前にクライアントと依頼内容や報酬などの打ち合わせをしっかりと行っておくことが大切です。
音信不通になる
仕事が正式に確定する前に連絡が途絶えるパターンも多いのですが、契約後にバックれるクライアントもいるようです。納品物を提出したあとに音信不通になると、報酬が貰えない可能性も出てくるので最も悪質なケースですね。
質の悪いクライアントと契約を交わさないためにも、クラウドソーシングサービスを利用しているのであれば、信頼できるのかどうか事前に評価欄を確認しておきましょう。
フリーランスが損害賠償を請求される場合
一般の会社員であれば、個人で損害賠償の責任を負うケースは少ないですが、フリーランスの場合は全ての責任を自分で負わなくてはならないのです。そのため、納品物に対する責任はしっかりと持ち、慎重に業務を行うようにしましょう。
では、フリーランスが損害賠償を請求されるケースを紹介していきます。
納品遅れ
指定された納品日に成果物が間に合わなかったことによって、企業側が何らかの損害を受けた場合に、フリーランスに対して損害賠償を請求されるケースがあります。
期日に間に合うように細かくスケジュールを組んで進めていたとしても、急病や予期せぬトラブルが起きることもありますよね。間に合いそうにないと判断したら早めにクライアントに連絡を取り、納期の調整を行ってもらいましょう。
納品遅れは、クライアントとの今後の信頼関係にも繋がる問題なので、損害賠償を請求されるまでに至らなかったとしても、しっかりとお詫びをして同じミスをしないように対策を取りましょう。
また、キャパオーバーになる仕事量を一度に受注しないことをおすすめします。フリーランスは手持ちの仕事がなくなることは収入源を失うことを意味するので、なるべく多くの案件を受注したい気持ちがあると思います。
しかし、抱えきれないほどの仕事を受注して納期に間に合わなかったら、クライアントに迷惑がかかってしまうので、仕事量は必ずこなせられる範囲内に収めましょう。
情報漏洩
フリーランスが企業と契約をした際に、大事な機密情報を扱う機会も多いと思います。業務をする上で知り得た企業の機密情報や個人情報は、絶対に外部に漏らしてはならないのです。そのため、多くの情報が詰まった自身のパソコンやスマホの管理は徹底して行う必要があります。
情報漏洩は、フリーランスに悪意がなくとも起こってしまうリスクがあるのです。
では、事前にできる対策を3つ挙げていきます。
- パソコンやスマホを紛失しない
- パスワードなどのセキュリティ対策
- ウイルスソフトの導入
以上のように、いつか自身にも起こりうるかもしれない情報漏洩の対策は日頃から行っておくことをおすすめします。
著作権侵害
著作権侵害とは、著作物を著作者の許可を得ないで無断で使用することを意味します。特にクリエイティブ系の仕事をしているフリーランスに多いトラブルです。
フリーランスは損害賠償保険に加入したほうがよい理由
会社に属していないフリーランスは、クライアントとトラブルが起きて損害賠償をされた場合も、個人で責任を負わなければなりません。自分のことを守ってくれる人はいないので、保険でサポートしてくれる損害賠償保険に加入をすることはとても重要です。
保険に加入をしていると、もしクライアントから損害賠償を請求されたとしても、保険サービスで補ってもらえます。また、万が一に備えての安心材料となります。慎重に取引を行っていても起こりうるトラブルは避けられません。
保険に加入をしていなくて数百万円の損害賠償を請求された場合、自身を守ってくれるモノは何もないので請求額を支払わなくてはなりません。そういう事態にならないためにも、フリーランスになったらすぐにでも損害賠償保険に加入することをおすすめします。
私は今まで大きなトラブルや未払いはありませんが、トラブルに巻き込まれる可能性もゼロではないので、損害賠償保険はお守り変わりに入ってます。知人のフリーランスが裁判沙汰になったなんて話もあるので…
フリーランス向けの損害賠償保険おすすめ
フリーランス向けの損害賠償保険を3つ紹介していきます。
GMOクリエイターズネットワークの「フリーナンス」
GMOが運営する日本初のフリーランス特化型金融支援サービス「フリーナンス 」は、数々の部門で1位を獲得している実績があり、フリーランスや個人事業主に人気のあるお金と保険のサービスです。
ランサーズと提携しているので、支払い管理の「即日払可」ってボタンを押してもフリーナンスに入れます。
15日または30日より早くお金が必要という時に便利ですし、保障も利用できるのとりあえず登録しておいて損はないです。
主なサービス内容は、以下の4つです。
- あんしん補償
- 即日払いサービスが利用できる
- 振込専用口座を開設できる
- 所得補償が受けられる
では、1つ1つ詳しく見ていきましょう。
あんしん補償
フリーランスに特化した損害賠償保険です。クライアントとトラブルが発生し、多額の損害賠償を請求された場合は、自己負担0円で最大5000万円まで補償してくれます。無料でこれほどの補償が受けられるのは”フリーナンス”の最大のメリットですね。
フリーランスのよくあるトラブル事例でもある、著作権侵害や納期遅延なども、あんしん補償で守ってくれる対象なので安心ですよ。
即日払いサービス
いくつものクライアントと取引をしていたら、報酬支払日が翌々月末のケースもありますよね。すぐに報酬が欲しい...という時にクライアントの代わりにフリーナンスが即日支払ってくれるサービスです。
しかし、即日サービスを利用する際は利用額の3〜10%の手数料がかかります。
振込専用口座を開設できる
フリーナンスに登録をすると、オンラインで自身のフリーナンス口座を開設するのですが、口座を開設するための費用も維持費も一切かかりません。また、口座の名義を屋号で登録できる良さもあります。
所得補償が受けられる
ケガや病気で働けなくなった場合、事前に申し込みしていた金額を最長1年間保険金として受け取れます。仕事中のケガだけでなく、24時間・365日補償の対象です。
国内・海外問わず、地震や津波などの天災によるケガを受けた場合も所得補償が受けられます。
フリーランス協会の「賠償責任保険」
フリーランス協会が提供している”賠償責任保険”は、フリーランス協会に加入をすると自動で付帯してくる保険のことです。加入には年会費が1万円必要ですが、月800円ほどでフリーランス特有の幅広いトラブルから守ってくれるので安心ですよ。
また、任意で所得補償保険の加入もできます。思わぬケガなどで働けなくなった際に、保険金を受け取ることができるので、万が一に備えて加入しておいても良いかもしれないですね。
年会費10,000円で安心が買えると思えば安いので私は加入しています。
こんな時でも保険が適用できるみたいです。(詳細は必ずフリーランス協会に確認してください。)
- コワーキングスペースの設備を誤って破壊してしまった。
- 業務上、預かっていたものを誤って壊してしまった。
- 納品物が第三者の盗用にあたると言われ、第三者に損害賠償請求をうけた。
- 入院による納期遅延で発注者の業務開始が遅延し、発注者に損害賠償が発生してしまった。
- データ入力業務で、商品の発注数を間違えて損害発生
どれも起こりそうなトラブルなので、起きてから慌てなくて済むように事前に対策をしておくのも大切です。
フリーランス協会の会員サービスで全国の提携するコワーキングスペースで優待サービスが受けられたり、全国3,000施設で割引が受けれるサービスもあります。人間ドックや日帰り温泉の割引とかは結構うれしいですね!ちなみにおきなわワールドが100円安くなります(笑)
USENの「お店のあんしん保険」
USENの「お店のあんしん保険」は店舗を構えて事業を営むフリーランス向けの保険サービスで、主な補償内容は以下の3つです。
個人事業で飲食店やヨガスタジオを経営している友人が多いのでこちらもご紹介!
- 設備・什器など
- 借家人賠償責任
- 施設賠償責任
では、1つ1つ詳しく見ていきましょう。
設備・什器など
以下のような事故によって設備や什器などが損害を受けた場合は、最大1,000万円の補償が受けられます。
- 火災
- 落雷
- 破裂または爆発
- 騒じょう・集団行動等の暴力行為や破壊行為
- 盗難
- 給排水設備の事故による水漏れ
- 建物外部からの物体の飛来・落下・衝突または倒壊
- 風災・ひょう災・落災
- 水災
- その他の不測かつ突発的な事故
設備・什器の評価額をもとに200万円〜1000万円の5つの保険金額プランから選べます。
借家人賠償責任
店舗・事務所を借りている人が、火災などの事故により家主に対して法律上の賠償責任を負担したときに最大1000万円の補償を受けられます。
施設賠償責任
施設の安全性や業務の遂行に起因する偶然の事故によって、他人の身体に障害を負わせたり、他人の物に損害を与えたりした場合に最大1000万円の補償が受けられます。
以上の主な3つの補償内容に加えて、オプションとして”休業時の補償”や”業務リスクによる補償”も付けることが可能です。
また、365日24時間いつでもネットで見積もりから申し込みまで手続きができるので、お店に足を運ぶ必要がないので気軽に加入できますよ。
フリーランスなら知っておくべき「下請法」について
フリーランスとして活動していくのであれば知っておくべき「下請法」について詳しく解説します。
下請法とは、下請取引の公正化を図るとともにフリーランスや中小企業などの下請事業者の利益保護を目的として作られた法律です。正式名称は「下請代金支払遅延等防止法」と言います。
下請法では、「製造委託」「修理委託」「情報成果物作成委託」「役務提供委託」の4つの取引が対象となります。
仕事を発注する側の義務として定められている内容は、
- 書面の交付義務
- 支払期日を定める義務
- 書類の作成・保存義務
- 遅延利息の支払義務
以上の4つが発注する側の義務として定められているのです。
また、その他にも発注する側に対して禁止事項が定められており、違反すると公正取引委員会から勧告・公表が行われる可能性があり、ペナルティとして50万円以下の罰金が科せられるので注意が必要です。
まとめ
本記事では、フリーランスとクライアントとのトラブルの無料電話相談とは何か、フリーランスのよくあるトラブル事例や損害賠償保険について解説しました。
トラブルはいつ誰に起こるか予測できないので、他人事ではありません。何かあっても自分で責任を負えるように、損害賠償保険やトラブル回避の知識に強いフリーランスになりましょう。